※ 本記事は広告を含みます。
費用・回数は各クリニックの公表料金に基づく執筆時点のものです。
効果には個人差があります。
結論から書く。
ケガや手術の傷跡で毛が生えない部分にも、自毛植毛を行った報告はあります。
ただし、傷跡は硬く血の巡りが悪いため、生えた毛の頭皮に植えるより条件が厳しくなります。
いきなり広い範囲に植えず、少量を試したり、施術を何回かに分けたりする選択肢を前提にしてください。
カウンセリングでは、傷ができた理由・手術歴・飲んでいる薬を医師に全部伝えてください。
この記事で一番大事なのはここです。
この記事は、AGAではない人向けです。
子どもの頃に頭を縫った跡、脳外科手術の切開線、やけどの跡。
そこだけ線や島のように地肌が見えていて、髪型で隠し続けている人を想定しています。
正直、「ハゲじゃなくて傷なんです」と説明するところから気が重いですよね。
植毛クリニックの広告はほぼAGA向けなので、自分の場合も対象なのか、そこで手が止まる人は多いと思います。

傷跡に植えると生着しにくいと言われる理由と、論文に出てくる数字
理由は「硬さ」と「血の巡り」
植えた毛根は、植えたあとに周りの組織から血管がつながることで生き残ります。
傷跡は、普通の皮膚が線維の多い硬い組織に置き換わった状態です。
毛穴も残っていません。
頭の手術跡に植毛した韓国の研究(Yoo H・Moh J・Park JU、BioMed Research International、2019年)も、冒頭で傷跡への植毛が難しい理由を「組織の硬さと血液循環の悪さ」と書いています。
血がうまく届かないと毛根は育ちにくい。
仕組みとしてはこれだけです。
手術跡の研究:15人・1回の施術で生着率は平均80.67%
上の研究では、頭の手術跡で毛が生えなくなった15人に、1cm²あたり約35株の密度で1回だけ植毛しました。
12か月後に数えると、植えた毛根が残った割合(生着率)は平均80.67%。
人によって70〜90%の幅がありました。
ここで見てほしいのは平均より幅のほうです。
同じ「手術跡」でも、20ポイントの差が出ています。
15人という少人数の研究で、比べる対照群もありません。
自分の傷にこの数字がそのまま当てはまるとは考えないでください。
やけど跡の研究:植える前に下準備を何回も重ねている
やけど跡の13人を対象にしたトルコの研究(Agaoglu Gほか、Aesthetic Surgery Journal、2021年)は、植毛の前にレーザーを3〜6回、自分の脂肪の注入を2〜5回行い、傷跡の状態を整えてから植毛を1回行っています。
この条件で、生着率は76〜95%(平均85.04%)でした。
正直、この記事を書く前は「傷跡なら植毛1回で終わり」くらいに思っていました。
原論文を読むと、植毛そのものより前の下準備に回数をかけている。
ここは意外でした。
ただしこれも13人の研究で、下準備をしなかった場合と直接比べたものではありません。
「まず少しだけ植えて様子を見る」という考え方
瘢痕性脱毛(傷あとが原因で毛が生えなくなった状態)への植毛では、本番の前に少量を試しに植える「テストセッション」が論文に出てきます。
米国の報告(Callender VDほか、Dermatologic Surgery、2014年)では、頭皮の組織検査とテストセッションを先に行い、試しの施術から4〜5か月後に発毛が見えた2人に本格的な植毛をしています。
この報告は病気による脱毛が対象で、ケガの傷跡とは原因が違います。
それでも、「少し植えて、根付くかどうか確かめてから広げる」という順番は、傷跡で悩む人にも参考になります。
脱毛症の種類や皮膚科での相談先は、日本皮膚科学会の一般向け情報でも確かめられます。
試しの施術で半年近く待つことになります。
早く隠したい気持ちとぶつかる部分なので、最初に覚悟しておいた方がいいです。
1回で終わらないことがある背景
理由は3つあります。
- 傷跡に一度に高い密度で植えると、血の巡りが追いつかないおそれがある。
そのため、低めの密度で植えて、何回かに分けて密度を上げる進め方がある
- テストセッション、またはレーザーや脂肪注入などの下準備を先に挟むことがある
- 傷が広い場合は、1回で取れる毛根の数に限りがある
極端な例ですが、全身79%のやけどを負った男性1人の記録(Kolasinski JR、Journal of Clinical Medicine、2026年)では、8年間で植毛を11回行っています。
1人だけの報告なので一般化はできません。
それでも、傷の範囲が広いほど回数が増えていく流れは読み取れます。

植毛以外の方法と並べて比べる
傷跡を目立たなくする方法は、植毛だけではありません。
編集部の判断で、主な方法を並べました。
費用は傷の大きさと施設で大きく変わります。
一次情報で確かめられた共通の相場はないため、表には数字を入れていません。
見積もりは必ず個別に取ってください。
| 方法 |
やること |
回数の傾向 |
向いている人 |
気をつける点 |
| 自毛植毛 |
後頭部などの毛根を傷跡に移す |
傷の範囲と生着しだいで複数回になることがある |
自分の毛で隠したい/後頭部の毛量に余裕がある |
傷跡は生着の幅が大きい。 採取した側にも傷が残る |
| 傷跡を切り取って縫い縮める(形成外科) |
毛のない部分を切除し、周りの皮膚を寄せる |
傷の幅による |
傷が細長く、周りの皮膚に余裕がある |
新しい縫い跡ができる。 保険の扱いは症状と医療機関で違うので受診先に確認 |
| 頭皮アートメイク系(色素で毛穴の点を描く) |
傷跡に色を入れて短髪の地肌に見せる |
数回に分けることが多いとされる |
短髪にしている/手術は避けたい |
髪を伸ばすと差が出やすい。 施術者の資格と実施場所を確認 |
| 髪型・ヘアピース |
周りの髪で覆う/部分かつら |
施術なし |
傷が小さい/費用や体への負担を避けたい |
風や汗で見える場面は残る |
自分の感覚を書くと、細い一本線の傷なら植毛より縫い縮める方が早い場面もあると思います。
逆に、やけど跡のように面で広がっている傷は、縫い縮める方法が使いにくい。
そこで植毛が候補に残ります。
どれが合うかは傷の状態で決まるので、植毛クリニックと形成外科の両方で意見を聞くのが確実です。
植毛と頭皮アートメイク系の違いは、自毛植毛とSMP(医療ヘアタトゥー)の費用・後悔ポイントの比較で詳しくまとめています。
カウンセリングで医師に伝えること・聞くこと
伝えること(言いにくくても全部)
- 傷ができた理由と時期(ケガ・手術・やけど・病気)
- 頭の手術歴の詳細:開頭手術か、頭の中に入っている器具(シャントなど)や頭蓋骨の固定具があるか
- 放射線治療を受けたことがあるか
- 傷が盛り上がりやすい体質(ケロイド・肥厚性瘢痕)と言われたことがあるか
- 飲んでいる薬。
特に血をサラサラにする薬
- 喫煙、糖尿病などの持病
植毛の合併症をまとめた2026年の総説(Romera de Blasほか、Frontiers in Medicine)でも、持病・喫煙・併用薬が合併症に関わる要因として挙げられています。
AGA治療薬も飲んでいる場合は、AGA治療薬と他の薬の飲み合わせもあわせて確認してください。
「植毛の相談で脳の手術の話までするの?」と思うかもしれません。
でも頭に何が入っているかで、針を入れられる深さや範囲の判断が変わる可能性があります。
手術を受けた病院の記録があれば持っていくと話が早いです。
聞くこと
- 傷跡への植毛を何例くらい扱っているか
- 最初にテストセッションを勧めるか。
勧めないならその理由
- 1回目に植える密度と、2回目以降を想定しているか
- 追加の施術が必要になったときの費用(定額プランの対象に含まれるか)
- 生着しなかった場合の扱い
見落としやすいのは費用の部分です。
AGA向けの「植え放題」系の料金が、傷跡への施術や2回目にそのまま適用されるかは、院によって条件が違うかもしれません。
ここは書面で確認してください。
その場で決めないための考え方は、無料カウンセリングで契約を迫られたときの断り方にまとめています。
悩み別・次にやること
傷が細い線状で、手術はできれば1回にしたい人
形成外科で縫い縮めが可能か聞いてから、植毛と比べてください。
順番を逆にすると、植毛の見積もりだけで決めてしまいがちです。
やけど跡など傷が広く、自分の毛で隠したい人
複数回とテストセッションを前提に、植毛専門院でカウンセリングを受けてください。
1回で終わる前提の見積もりしか出てこない場合は、その理由を聞いた方がいいです。
植毛専門院の一例として、定額プランを出している院があります(料金・対象範囲は公式サイトの最新表記を確認してください)。
植え放題149万円〜の自毛植毛専門院【東京植毛クリニック】

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傷跡への施術がプランの対象になるかは、カウンセリングで確認してください。
脳外科手術の跡で、頭に器具が入っている人
植毛クリニックより先に、手術を受けた病院の主治医に「植毛を考えている」と伝えてください。
主治医の見解を持って相談に行く方が、植毛側の医師も判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 傷跡に植えた毛は、普通の頭皮と同じように根付きますか?
A. 根付いた報告はありますが、幅があります。
手術跡15人の研究では生着率が70〜90%に分かれました。
自分の傷でどうなるかは、医師の診察とテストセッションで確かめるのが現実的です。
Q. 子どもの頃のケガの跡でも相談できますか?
A. 相談はできます。
時間がたって状態が落ち着いた傷跡は、検討の対象になりやすいと考えられます。
ケガをした時期と、当時の治療内容を覚えている範囲で伝えてください。
Q. 何回くらいの施術を見込めばいいですか?
A. 傷の広さと最初の生着しだいで、共通の目安はありません。
研究では1回の例から、広範囲のやけどで11回の例まであります。
見積もりの段階で、2回目以降の想定と費用を聞いておいてください。
Q. AGAも少しある場合はどうなりますか?
A. 植えた毛とは別に、周りの毛が薄くなっていく可能性があります。
傷跡の相談と一緒に、薄毛の進行も診てもらってください。
この記事の要点
- 傷跡は硬く血の巡りが悪いため、植毛の生着は普通の頭皮より条件が厳しい
- 手術跡15人の研究では、生着率が平均80.67%(70〜90%)。
少人数の研究なので目安にとどめる
- テストセッション・下準備・分割施術で、1回で終わらないことがある
- 手術歴・頭に入っている器具・放射線治療歴・薬・喫煙は必ず医師に伝える
- 線状の傷なら形成外科の縫い縮めとも比べる
傷のことを人に話すのは、薄毛の相談よりも気が重いかもしれません。
それでも最初のカウンセリングで全部話しておけば、合わない施術に大金を払うリスクは減らせます。
最終的な判断は、診察した医師と相談して決めてください。
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参考文献:Yoo H, Moh J, Park JU. BioMed Res Int. 2019/Agaoglu G, et al. Aesthet Surg J. 2021/Callender VD, et al. Dermatol Surg. 2014/Kolasinski JR. J Clin Med. 2026/Romera de Blas C, et al. Front Med. 2026
※本記事は一般的な健康・美容情報であり、医療行為や診断・治療の代替ではありません。
AGA・薄毛・ED等の治療や服薬は医師の診断のもとで行ってください。
効果には個人差があります。
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